月別アーカイブ: 2015年6月
刺繍の道具入れ
いろいろ道具箱をご紹介してきましたが、また素敵な道具入れを
お持ちの方がおられましたので、ご紹介したいと思います。
NHK学園市川オープンスクールのUさんの道具入れです。
Uさんは先般、お手製のペンケース型のものをご紹介させて頂き
ましたが、さらに他の道具を入れる手提げ型のものも自作されて
いました。
愛らしい刺繍もご自身がなさったもので、拝見して思わず「かわいい!」
と言ってしまいました。
中はいろいろ仕分けされた道具が収まるようになっており、コンパクト
かつ機能的です。
深さが浅いので、すぐ必要なものが見つけられそうです。
この日、ユザワヤ津田沼店がどんどん小さくなっているという話も
出ました。
近年手工芸に親しんでおられる方が少なくなっている現れなのかも
しれません。
しかしUさんのように身のまわりの物を自作されるというのは、美しい
生活だと思います。
金繕いも同様です。
簡単に終わらせたいというご要望もあるかもしれませんが、丁寧に
より美しい仕上がりを目指して頂ければと考えております。
藍の分植 2015
藍の苗が10cm程に成長したので、分植しました。
今年は発芽率は良かったものの、育ちに差がありました。
すでに10cmに達した苗あり、まだまだ発芽時と変わりがない苗ありと
極端です。
しかしあまり大きくしてしまうと根がからんでしまって、苗が分けにくく
なってしまうので、今日の作業を決断しました。
45cmのプランターに2株つづ、3個で計6株です。
少ないようですが、1株が直径60cm、高さも60cmくらいまでに
生長するので、工房教室での生藍染め大会には十分と思います。
今後は水遣りと、アブラムシに注意して大きく育てます。
貝香合講座 第1回
港北カルチャーセンターにて「自然の貝で貝香合作り」が、
本日スタートしました。
初日の今日は、皿貝でした。
皿貝は内側のピンク系の色が魅力の貝です。
魅力的な作品作りのポイントは、「バランス」ではないかと思います。
「メリハリ」「粗と密」という言葉にも置き換えられますが、切箔が
集中している所と、空間が空いているところがあるといいと思い
ます。
また切箔のサイズも重要です。
同じサイズばかり並べてしまうのではなく、大小がリズムよく
入っていることが大切だと思います。
まとめてしまえば、絵を描くのと一緒ということかもしれません。
港北カルチャーセンターの「自然の貝で貝香合つくり」の講座は、
全3回。
次回はハマグリ貝、最後はヒオウギガイです。
それぞれパール粉を使ってもよし、金箔を貼ってもよし、と選択
出来る贅沢な内容です。
金繕いは完成まで時間がかかりますが、貝香合は毎回作品が
完成して行きます。
楽しんで受講して頂ければ幸いです。
紅葉の蒔絵
蒔絵のカリキュラムで、体験講座などで桜の花びらにご経験が
ある方には紅葉に挑戦して頂いています。
今日はNHK学園市川オープンスクールのAさんの作品を
ご紹介致します。
味わいのある筆致で描かれており、魅力があります。
紅葉の表情も様々で、見ていて楽しさを感じます。
紅葉のいいところは、1葉で世界が作れるところです。
葉も大きいので、欠損部を補うのにも都合がいいです。
紅葉と桜は一見関係がないように見えますが、桜のはなびらの
集合体が紅葉と言えます。
また紅葉は幾何形体なので、手順にのっとり描いて行けば、その
形が作れます。
桜の花びらに慣れたら、ぜひチャレンジしてみて下さい。
藤那海工房でも体験講座
私個人の藤那海工房でも見学+蒔絵体験を行いました。
制作して頂いた作品をご紹介致します。
なかなか初心の方がこの大きさで桜の花びらを描くのは難しい
のですが、ダイナミックに描かれました。
枚数的には少ないですが、上手く散らしてあるので、とてもよく
まとまっています。
実際食卓で使われた時には、コーナーを生かしたレイアウトが
より魅力的になることでしょう。
TOPページでもお知らせしておりますが、平日の木曜•金曜の
両クラス共、満席になりました。
今後はキャンセル待ちをお受け致します。
お問い合わせの状況を見て、クラスの増設を検討したいと存じます。
なお単発での受講をご希望の方は、レギュラーでいらっしゃる方が
お休みの場合にお受け致します。
あらかじめお席の確認をお願い致します。
漆器のツヤ
私が日常使っている汁椀ですが、10年以上使ってきて、とても
いいツヤが出てきました。
これは浄法寺塗りのものです。
浄法寺は上質な国産漆の70%を占める最大の産地でもあります。
これが岩館隆さんのデザインと相まって、温かみのあるところが
とても気に入っています。
先日の体験講座では、漆の話をとても興味深く聞いて頂きました。
漆に関しては面白い話がたくさんあります。
近年の研究では漆は、水分を含んだまま固化しているということが
わかったそうです。
これは他の塗料にはない性質です。
漆器を持った時に感じるしっとりとした感触は、水分を含んでいる
からだったのですね。
漆器は使い手が育てるといいますが、このツヤは育てた証です。
しかし10年以上使ってきて、少々くたびれてきたのも事実です。
浄法寺の漆にこだわりたいので、塗り直しに出そうかと考えて
います。
そうすると若干マットな新品の状態に戻ってしまいます。
それをまた育てていくのが、使い手の楽しみになるのでしょう。
雨にご注意!
暑過ぎる5月が終わったとたん、梅雨入り間近かとなって
しまいました。
4月から受講を始めた方の中には、まだ「目止め」という
作業が完了していない方もおられると思います。
この作業は、器を完璧に乾燥させることが必要です。
それでないと器がカビてしまうという事態に陥ります。
作業継続中の方は、数日晴天が続く時を見計らって行って下さい。
ところでこの作業が必要になるのは、陶器だけです。
磁器に関しては必要ありません。
なぜなのか…
それは素地の状態に関係があります。
改めて説明が必要であれば、ご質問下さい。
成田教室 体験講座修了しました
本日セブンカルチャークラブ成田教室の体験講座が終了
しました。
ご参加下さった皆様、ありがとうございました。
蒔絵体験で制作して頂いたお皿をご紹介致します。
何人かの方の作品を撮影しそびれてしまい、大変残念に
思っております。
撮影させて頂けた方の分、全て掲載致します。
同じお皿を選ばれていても、全く違う作品になるのが個性だと
思います。
特に今回特徴的だったのが、下書きを作って慎重にレイアウトを検討
された方が多かったことです。
また花びらの数は奇数にするとよいとお話したところ、きっちり
数えて奇数にされていたことが、お教えする立場としてとても
嬉しかったです。
金繕いの手順をお話しして、意外に時間がかかること、手間がかかる
ことにびっくりなさったかもしれません。
しかし破損してしまったものを、元に復すのは難しいものです。
そして時間をかけて直すことによって愛着のある器にさらに気持ちが
こもるのではないかと考えています。
お忙しい日常で、何かに没頭する時間は貴重だと思います。
「無」になる時間を金繕いで得て頂ければ、幸いです。