月別アーカイブ: 2015年6月
藍 苗の旅立ち2015
先日分植した藍の残りの苗が、原一菜(いちな)先生と成田先生の
ところへ旅立って行きました。
今年の苗は、育ちとしては少し小さいのですが、お二人とも草木染めは
慣れていらっしゃるので、問題ないと思います。
特に原先生は、1本から挿し木して倍に増やして、着物1反染められます。
今年も何か作品を見せて頂けるのを楽しみにしています。
割れ+ヒビの手順
このところ「割れ+ヒビ」の場合の手順が曖昧になっている方
が多いことに気がつきました。
このケースの場合、ヒビの止めを行ってから、ただちに接着の手順
へ移行します。
同日に流れ作業で行う訳です。
このように立て続けに行うのは、ヒビの直しのあとの致し方ない状態
に原因があります。
ちなみに「欠け+ヒビ」の場合は、別日に行います。
「割れ+ヒビ」の手順と、「欠け+ヒビ」の手順が同じように記憶
されている方が多いのではないでしょうか?
今後この点について、より丁寧にお話していこうと考えております。
マット釉になじむ
藤那海工房土曜日クラスのTさんの作品をご紹介致します。
割れてヒビが入っていたものを、ヒビ止めし、接着されました。
クリーム色のマットの釉薬に金泥が程よく馴染んで、綺麗な仕上げと
なりました。
いざ仕上げとなると腰が引けてしまう方が多いのですが、Tさんは
思い切りがよく、積極的に仕上げに挑戦するところがとてもいいと
思います。
やり直しも厭わず、コンスタントに仕上げをしているので、どんどん
上達しています。
ですので講座の際には、かなり細かいテクニックを解説しています。
ところでマット釉は、やさしい雰囲気が好まれてお持ちの方も多いと
思いますが、修復の際には気を遣わないと仕上がりが損なう場合が
あります。
特に始める前の準備が大切なので、マット釉の器を直されたい方は
事前にご相談下さい。
ヒオウギガイ準備中 2015
港北カルチャーセンターで行っている「自然の貝で貝香合つくり」
の講座ですが、3回目のヒオウギガイを準備しています。
鮮やかな色の印象が強いヒオウギガイですが、今回上の画像のような
渋めの色合いのものも手に入ったので、同様に下準備を行って
います。
というのも稀に中が上の画像のように、ちょっと悲惨な状態に
なっているものがあるので、確認する必要があるからです。
下準備の仕方については、講座の中でご説明したいと思います。
葉型に仕上げる
よみうりカルチャーセンター川口教室のIさんの作品を
ご紹介致します。
小さく割れた破片を接着し、その部分を葉型に仕上げられました。
実は破片を接着した際、少々ズレが生じてしまい、かえって目立つ状態に
なってしまいました。
このようなケースの場合、器にある柄を利用して仕上げることをオススメ
しています。
Iさんはどのような葉型にするか、随分悩まれたのですが、接着した
破片の部分を虫食いに見立てて葉型とされました。
金泥でぴっちり葉型にするよりも、この虫食い部分が抜けとなって、
大変効果的に作用しています。
とてもいいアイディアです。
このあと、銀泥で葉脈を描いて完成となる予定です。
広い面積を綺麗に仕上げるためには、コツがあります。
このような方法で仕上げを試みたい方は、事前にご相談下さい。
柄に色合わせ
NHK文化センター千葉教室のKさんの作品をご紹介致します。
桜の花びらで欠けの直しのイメージを掴んでから、実際の
仕上げにチャレンジされました。
画像右下の角を銀で仕上げられています。
仕上げた直後の銀は白くて、お皿の色と馴染んでいます。
このような状態を見ると、銀が格が高いというのがよくわかります。
このお皿は作家さんの作品で、古典文様のような愛嬌のある柄が
描かれています。
Kさんのお考えとしては、少々硫化させて柄の色に馴染むのを待つ
とのことです。
Kさんは、実際の仕上げをしてみて、いろいろなことがわかったそうです。
確かにフリーに描いて構わない桜の花びらと違って、欠損部を隠すように
塗るのは難しいものです。
それが分かって頂いただけでも、大きな第1歩です。
今後どんどん仕上げに挑戦して頂いて、より上達されるのを楽しみに
しています。
花と器のハーモニー2015
横浜•山手西洋館で「花と器のハーモニー」というイベントが
行われています。
毎年このイベントにはボランティア撮影隊として行っていましたが、
今年は予定が合わず、見学を断念しました。
友人から情報が入りましたので、ご紹介したいと思います。
どの館も個性的で楽しめる内容となっているそうです。
また例年にはない飾り付けで、見応えがあるとのことです。
この週末で終了になりますので、お時間ありましたらお出かけ下さい。
日本画展を見る
友人が参加している日本画のグループ展を2つ、見てきました。
まずは女性8人による「こころばえの会」です。
それぞれ画風が異なるものが、画廊の中で融合している様が
心地良い展覧会です。
友人の斉藤佳代さんの作品です。
彼女の作品については以前もご紹介させて頂いていますが、今回は
植物をモチーフに優しいタッチで描いています。
清々しい色合いで、本当に心が和みます。
斉藤さんと他の作家さんの作品です。
個性の違いが融合しているのが、おわかり頂けるでしょうか?
私は下段右の斉藤さんの作品「梅花ウツギ」がとても気に入りました。
会期は13日(土)までです。
居心地のよいギャラリーですので、それも含めてご覧頂けたら
幸いです。
もうひとつが「渺渺展」です。
こちらは若手作家さんのグループ展で、個性のぶつかり合いが
面白い展覧会です。
同じ日本画材を使っていながら、これほど表現の幅があるのかと、
いつも感心させられます。
友人の廣瀬佐紀子さんの作品です。
彼女の作品は、ダイナミックな構図が魅力です。
シンプルが故に伝わってくるものもストレートだと思います。
2つの展覧会は、毎年6月に会期を重ねるように開催されます。
雰囲気が違い、それぞれ刺激を受けるものが大きいのでハシゴする
のを楽しみにしています。
渺渺展は14日(日)までです。
銀座にお出かけになるようでしたら、是非2つともご覧下さい。
貝の記念切手
切手のコレクターではないのですが、6月5日発売の記念切手が
貝殻だったので、郵便局に出かけました。
奥に写っているのが、港北カルチャーセンターでの「自然の貝で貝香合
つくり」でも使って頂きます「ヒオウギガイ」です。
切手にあるオレンジと紫の他、赤、黄色などもあります。
表面の色が内側にも反映されますので、作品作りは色を生かして作ることが
出来ます。
手前の白地にピンクの筋がある貝は「ネコジタザラガイ」です。
これは作品に仕立てているので、教室でご覧になった方もおられると
思います。
名前の通り表面に猫の舌のように細かい突起があり、ざらざらしています。
しかしピンクの筋が内側にも透けてとても綺麗な貝です。
貝香合の講座を行っている時に貝殻の記念切手が発売されるとは、何とも
good timing です。
今月は桜の花びらです
体験会でも行っている桜の花びらの蒔絵ですが、本講座でも
昨年10月から受講して下さっている方々は今月のカリキュラムが
桜の花びらになっています。
但し置き目を先に行っていますので、置き目で描いた波紋を
生かして桜の花びらを入れて頂く形になります。
今日制作して頂いたNHK文化センター千葉教室のWさんの
作品をご紹介します。
繊細かつ綺麗に入った置き目の波紋に桜の花びらが舞い落ちる風情で
描かれました。
まだまだ筆で描くことに慣れていないので、単純な形の桜の花びらも
想像以上に難しいものです。
しかしWさんの桜の花びらは波紋に合った大きさで、ひとつひとつの
形もいいですし、入れている位置も綺麗です。
直描きの桜の花びらは、それぞれで個性が出るのがおもしろいと
思います。
本日撮影出来なかった方々の作品は、是非来月ご紹介させて下さい。