先般縁の欠けが点々とたくさんある場合は、口紅様にまとめてしまう
手段があるとご紹介致しました。
今回ご紹介するNHK学園市川オープンスクールのTさんの作品は、その
まま直された例です。
Tさんは、まとめて直すべきだったのではないかと悩まれておられました。
しかしグレーがかった釉薬に銀泥がマッチしているので、たくさんの欠けが
目立たないと思います。
ですのでこのままでもよろしいのではないかとお勧め致しました。
強いて言えばもう少し銀泥の色が落ち着いた変化をしたところで、硫化止めを
されればより効果的かと思います。
この湯のみは日常使いとして頻繁に使われるものだそうです。
であれば仕上げたものをお使い頂き、仕上げの状態が変化したところで
また違う方法で仕上げ直すという考え方も出来ます。
欠損部を修復する方法については、厳密にお守り頂きたい内容がありますが、
仕上げに関してはご自身のお考えでなさって構いません。
自由な発想で、ご自分の器の姿をお決め下さい。