月別アーカイブ: 2015年3月
藤那海工房 回数券
藤那海工房の金繕い教室では、回数券というシステムを取り入れて
みました。
これは習うモチベーションを維持して頂きたいという気持ちから
考えたものです。
習い事は止めた瞬間から腕が落ちると言うそうですが、金繕いも
一度止めてしまうと、なかなかやらなくなるのではないかと思います。
月に1度でも通って、講師の指導を受け、他の受講中の方々の様子を
見るというのが、何よりの刺激になっているはずです。
ましてや器の修復は一定のセオリーはありますが、全てが同じ手順では
ありません。
そこに難しさがあり、奥深さがあり、面白さもあるのだと思います。
ささやかではありますが、モチベーション維持にお役に立てたら幸い
です。
筆のコンディション
かなの臨書をしていて、筆のコンディションが悪いのに苦戦しました。
というのも前回使用したあと、洗って吊るして干している時に
落下させてしまって穂先に変なクセをつけてしまったからなの
です。
言うことを聞いてくれない…
自分の腕のなさを筆でカバーしようとしているですから、コンディションが
悪いとどうしようもなくなります。
幸い中心の毛が折れているというような重症ではないようなので、洗い
直せばクセは取れてくれそうです。
教室にお持ち頂いている筆にクセがついてしまった場合は、お湯
(60度から80度くらい)の中で泳がせるようにすると取れます。
しかし乾くまで使えませんので、クセがつかないように持ち運びして頂く
のが一番です。
このところご紹介している道具箱を参考になさって、ご自分に合う方法を
工夫してみて下さい。
来るもの拒まず
4月からの受講に向けて、3月には講座のご見学を多く頂きました。
その中で今までにない傾向としてあったのが、他の先生に習っていた
ご経験のある方がお見えになったことです。
ご自身や、習っていた先生のご事情で続けられなかったのを、改めて
習い直したいとのお話でした。
私の考えとしては「来るもの拒まず」ですので、それぞれの方の状況に
合わせてお教えしたいと考えています。
受講して頂く方にとって気になるのが、先に購入している教材は使える
のか、ということだと思います。
これもお持ちのものは出来るだけ使って頂こうと考えております。
どうしても違うものだけ、お求め下さい。
このように他の先生に習われた方がお出でになるのも、「金繕い」という
工芸の裾野が広がったからだと思います。
私が習い始めた頃は金繕いを知っている人も少なく、教えてくれる方も
少なかったのです。
そう思うと感慨深い出来事でした。
紙ヤスリの切り方
陶磁器の修復では使いませんが、漆器やガラスの修復では
紙ヤスリを使って頂きます。
紙ヤスリは、大抵大きなサイズで販売されておりますので、
使用する際には適度なサイズにカットすることになります。
このカットする時に注意することがあります。
それはハサミは使ってはいけないということです。
以前のブログでご説明しておりますが、紙ヤスリの硬度は意外に
高く、ダイヤモンドに近似しているくらいなのです。
ですからハサミでカットすると、たちまちハサミが痛んでしまい
ます。
ですのでカットする場合は、折りくせをつけて切るか、カッターを
使うのが正解です。
もちろんカッターの刃は痛んでしまいますので、都度折る必要が出ます。
ヤスリをかけるものによっては、手で切った方が適切な状態になりますので、
作業の際にご質問下さい。
カリキュラムの後半では
1年で組んであるカリキュラムの後半では、どんなことをやるのか
というご質問がありましたので、ブログでもご説明したいと思います。
前半の半年では、基本の技術をご説明しました。
後半の半年では前半で手がけて頂いた器を完成させながら、ガラスや
漆器などの別素材のものの修復や、蒔絵の技法など、応用技術を
ご説明致します。
変わったところでは金箔の扱いを学ぶ『貝合せの制作』です。
完成後は絵を描いても、器にしてもよいものになります。
頑張って磨いた貝に金箔を貼るだけでも、感動が得られるカリキュラムです。
後半のカリキュラムも楽しんで頂けたら幸いです。
みなとみらいの桜 2015
今日は原一菜先生の助手で、ランドマークプラザにあるNHK文化センター
横浜教室へ。
昨日東京では開花宣言がでましたが、風が強く、冬並みの寒さだった
みなとみらい。
ソメイヨシノは、数輪咲いている程度でした。
来月の教室の時には、桜のシーズンは終わっているでしょう。
ちょっと残念。
ひなたぼっこ?
器のひなたぼっこ…ではありません。
「目止め」と呼んでいる下準備中です。
陶器は、この下準備が必要な器があります。
陶器と一口に言っていますが、この中には「炻器(せっき)」と
呼ばれる不吸水性の素地のものを釉薬をかけずに陶器と同程度まで
強く焼いたものも含まれています。
代表的なものは「備前焼」「常滑焼」「信楽焼」「古越前」などです。
これらは素地に吸水性がないので、目止めの必要がありません。
この他、作家さんはそれぞれ土を工夫されておられますので、吸水
しない素地のものがあります。
このように一律で判断できないのが、陶器の難しいところ。
迷われたら教室でご相談下さい。
ところで春先は天候が変わりやすいので、ふいに雨が続く場合があります。
そのような時は目止めに向きません。
晴れの日が続く時を狙って、作業をお願い致します。
柏日曜午後クラスの状況 2015•4月期
NHK文化センター柏教室 日曜午後クラスですが、多数のご継続に
加え、新規、移動などで、残席がわずかとなっております。
先般お知らせしたように、柏教室は平日クラスがキャンセル待ちが
多く、なかなか受講が適わない状況です。
早い時期での受講をご希望でしたら、日曜クラスへのお申し込みを
お勧め致します。
残席わずかとなった午後クラスをご検討でしたら、お早めのお手続きを
お願い致します。
器の持ち歩き方
教室への器の持ち歩き方について、質問がありましたので、
ご紹介したいと思います。
基本は、ぷちぷちなどの梱包材に包んで、段ボール箱に入れます。
特にカップの把手、急須•ポットなどの注ぎ口、片口の注ぎ口など、突出
している部分は、別途梱包材で包みます。
ワイングラスの細いステーの部分は、梱包材を巻きます。
簡単に言えば、引っ越しの梱包と同じです。
私の場合、キャスターバッグで移動していますので、振動を考えると、
より慎重になります。
これに仕上げなどの作業をした場合は、帰りの状態を考える必要も
あります。
作業部分を触れないように、上手く箱に入れることを考えます。
最近、教室にお出でになる時に人に当たられ、荷物を取り落として
しまった方がおられました。
もう少しで完成という器がバラバラに割れてしまって、慰めになる
言葉もありませんでした。
上で説明したまでの準備は必要ないかもしれませんが、不要な破損を
避けるためにも、器の持ち歩きにはご注意下さい。
いろいろ便利な道具がありますので、ご相談頂けたらご説明致します。
トクサの色
トクサの刈り取りが済んだ方から、トクサについて質問が多くなって
きました。
何度もブログに書いている内容ですが、またご説明させて頂きたいと
思います。
まずトクサは刈り取り後、一週間も干せば使用可能です。
過剰に長い期間で記憶している方が多いのですが、トクサが含んでいる
水分がなくなればOKです。
また色は緑のままで構いません。
緑色が抜けるのには、相当な時間がかかります。
緑色のまま使うと、陶磁器に緑色がついてしまうのではないかと心配
された方がおられましたが、そのようなことにはなりません。
ところでトクサが生えている時点で枯れ色になっているものは、使えません。
なぜならすでに劣化しているからです。
あくまでも刈り取った時に緑色のものが、干して枯れ色に変化したものを
お使い下さい。
トクサは、頼りになる道具です。
使う為の準備は、ぜひ覚えて下さい。