月別アーカイブ: 2014年11月
置き目 糸を引く?
4月から受講を始められた方は、今月のカリキュラムは「置き目」と
なっております。
作業を進めて金泥を蒔くと、場合によっては糸を引いたような
状態になることがあります。
これは加減でなってしまうものなので、あとから加工すれば心配
ありません。
置き目に使う練習用のお皿ですが、あらかじめきれいに洗ってきて
頂きますと作業がすぐに始められます。
実は洗ってないお皿に、洗っていない手は、この講習には大敵
なのです。
お皿に金泥が大量に奪われる結果になりますので、ご注意下さい。
金箔 応用編
よみうりカルチャー川口教室のMさんの作品をご紹介
致します。
椿の柄は、お皿に元々入っていたものですが、これに金箔で
月を入れました。
金箔の技術としては貝合せの応用ですが、円で入れるのには道具が
必要です。
また月の位置決めは、黄金分割を使っています。
しばらく出番がなく、しまわれていたお皿なのだそうなのですが、
これを機会にまたお使い頂ければ嬉しいです。
何か変わった形で金箔をあしらってみたいというご希望があり
ましたら、お申し出下さい。
手順をご説明致します。
フラワーアレンジメント
引っ越し祝いにフラワーアレンジメントを頂きました。
シックで、大人な雰囲気のアレンジです。
引っ越し直後で、まだまだ段ボールジャングルの我が家に、
ホッと一息つける空間を作ってくれました。
やはりお花は、いいですね。
蒔筆 汚れると…
昨年1月のブログで、蒔筆に関する記事を書いています。
その時に蒔筆が汚れた状態で仕上げをすると、良くない状態に
なってしまうと書きました。
その良くない状態の筆をお持ちの方がおられましたので、撮影
させて頂きました。
新うるしと金泥がコテコテになって穂先に付いています。
このため仕上げをしたところが、ホコリをまぶしたようにザラザラに
なっていました。
実はこのザラザラの仕上げ状態を見せて頂いて、蒔筆の状態が
悪いと判明したのです。
こうならない為にはどうするかと言うと、教室で説明している
手順を守って頂くだけなのです。
ぜひもう一度復習してみて下さい。
ところで他の教室で蒔筆がコテコテになってしまったので、塗装用の
毛が硬い筆をお使いになって、やはり仕上げ面が荒れてしまった方が
おられました。
蒔筆は羊などの柔らかい毛を使っているところにも、意味があります。
ちなみに撮影させて頂いたコテコテの筆は、昨年1月のブログに書いた
通りの方法で、見事新品のような柔らかさを取り戻しました。
※昨年1月の記事は「蒔筆」と検索すると出てきます。合わせてご覧
下さい。
布は敷かない
作業をする時、何を敷いているか?という質問がありましたので、
ブログでもお答えしたいと思います。
自宅での作業では新聞紙をダイニングテーブルに敷いて作業して
います。
これは汚れたり、削りカスが出た場合、惜しげもなく処分できる
からですが、ホコリが出ないというのが最大の理由です。
以前のブログでも書いていますが、仕上げをする際にはホコリは
大敵です。
特に大きい面積を仕上げる場合には注意が必要です。
カルチャーセンターの教室で、テーブルに布を敷いている方が
多くおられます。
これはテーブルに直に器を置くと破損が気になるからだと
思われますが、日本人は物を置く時に下に何か敷くという習慣が
あるのも大きな要因になっていると思います。
しかし金繕いで布は、仕上げの際のホコリの発生源になります。
また布を敷いた上で削りの作業を行ったまま仕上げをすると、
ホコリ+削りカスという2つの問題を抱えることになります。
加えて破損を回避したいはずだったのに、布目に器を引っ掛けて
破損する方も少なくありません。
通常の作業で布を敷いていることに、あえて言及してはおりませんが、
仕上げを行う際には布の撤去をお願いしています。
いいお作法と、いい作業とは違うのです。
器柄とのマッチング
本日はNHK学園市川オープンスクールのUさんの作品を
ご紹介致します。
作家物の鉢で、染付けで描かれた文様が大らかな器です。
磁器でありながら器自体もゆらぎがあって、ゆったりとした表情が
魅力の器に、やはりゆったりとした筆で仕上げをなさいました。
これが器の感じにとても合っていて、よい仕上がりになっていました。
仕上げは綺麗に出来るばかりがよいとは限りません。
器とのマッチングがよいと、Uさんの作品のように見る者の気持ちも
和やかにすると実感しました。
ダイニングテーブル de 講座 継続中
私事ですが、しばらくブログ更新をお休みしていましたのは
転居の為でした。
荷造り〜引っ越し、息もつかず開梱と怒濤の日々を送り、
ようやく昨日パソコンを復帰しました。
そして本日はまだ工房環境が整わないので、ダイニングテーブル
de 講座で教室を開始しました。
本日来て下さったKさんは、今日が仕上げデビューです。
その記念すべき作品を撮影させて頂きました。
小片が剥離していたのを接着、欠損を埋めたものを仕上げて頂きました。
トルコブルーの釉薬に金泥が映えて、美しい作品となりました。
金繕いは欠損を埋める工程が長いので、仕上げをしますと感慨もひとしお
です。
ここまで到達してみますと、何の為に今までの作業を行っていたのか、
全体の流れがわかります。
仕上げデビューをしたKさんは、仕上げはまとめて行おうと思ってらした
そうですが、このブログで何回か書いているように、仕上げは都度行った
方が毎回腕が上がりますし、仕上げの手順も繰り返すことによって
自分のものとなります。
また度々行う方が、仕上げの腕が維持出来るようにも思います。
どうぞ仕上げは頻繁に行ってみて下さい。
確実に上手になるご自分の腕を実感されると思います。