月別アーカイブ: 2014年8月
呼応する柄
昨日に引き続き、NHK学園市川オープンスクールの生徒さんの
作品をご紹介致します。
本日は、Uさんの作品です。
把手の根元に欠けがありました。
これを埋めて金泥で仕上げてきて下さいました。
これが器にある円の柄と呼応し、まるで元からあった柄のようです。
このようにデザインになっていると、欠損も違和感がありません。
Uさんは昨年10月から受講して下さっていますが、このマグカップ
の他、数点仕上げられました。
完成まである程度時間が必要な金繕いですが、一気に仕上がる
時期があります。
受講し始めの方は不安があるかと思いますが、着実に前に進んで
いますので、じっくり取り組まれて下さったら嬉しいです。
細い縁
NHK学園市川オープンスクールのKさんの作品をご紹介致します。
縁が点々と欠けてしまっていたのを、修復されました。
この器はゆらぎがあって、一見大らかな器に見えますが、縁がとても
繊細なのです。
そのため欠けやすいのです。
また修復する時も細かい作業が必要になり、Kさんは大変苦労されました。
しかし根気よく作業を続けられ、見事に細い縁を復元されました。
とても気に入っておられる器なので、再びお使いになれる喜びはひとしお
のようです。
縁が繊細な器にチャレンジしている方は多いと思います。
しかしKさんの作品を見て頂ければ、頑張る気持ちが湧くのではないでしょうか?
Kさんご本人のお話で興味深かったのが、いざ仕上げとなったら、せっかく良い
筆をお求めだったのを使い忘れてしまったということです。
これは珍しいことではありません。
皆さん、仕上げになると緊張されます。
どうやら舞い上がったようになって、せっかくの筆を使い忘れるということが
起きるようです。
どうぞ仕上げの前には深呼吸して、落ち着いて臨まれて下さい。
仕上げはやり直しが出来るのを思い出して頂ければ、緊張もほぐれる
と思います。