月別アーカイブ: 2014年8月
藍 切り戻し
一昨日のブログで迷っていた藍の切り戻しを決行しました。
このままどんどん黄色くなってしまうより、色素を保持した青い葉の
うちに収穫した方がよいと決断しました。
切った枝から葉のみを収穫。
陰干しをして、乾燥させます。
枝を切り戻したプランターの様子です。
何だか一気に寂しい感じになってしまいましたが、藍は丈夫な植物
なので、再びしっかりした葉をつけた枝が伸びてきてくれることを
期待しています。
藍 暑さ負け?
昨年より育ちがやや遅れていた藍ですが、この暑さで葉の枯れが
目立つようになってしまいました。
丈は伸びたものの、中間の葉が黄色くなって枯れてしまうので、枝先に
葉がついている感じです。
この状態だと8月下旬の染めには葉の量が足りないと思われます。
生藍染めでは葉が枯れていても使えるそうなので、思い切って徒長した枝を
切り戻してしまい、また伸びてくるのを待って、9月下旬に染めを行おう
かと思案しています。
金箔貼り皿
貝合せで学んで頂いた金箔貼りの応用で、お皿に貼るというカリキュラムが
各教室でご好評頂いています。
先日制作して下さったNHK文化センター千葉教室のHさんの作品を
ご紹介致します。
画像上と下左のお皿は、それ自体のテクスチャーが金箔にも反映されて
おもしろい効果が出ていました。
下右のガラスのお皿も、手作りのやわらかい形に金箔が合って、とても
美しい作品に仕上がりました。
いずれも金箔が華やかで、お正月や来客の際によいのではないかと思います。
ところでこの金箔を貼る範囲の作り方ですが、黄金分割の考え方で決めて
頂いています。
どなたでも簡単に美しい入れ方が出来るよう、ご説明しています。
それ自体が今後の作品制作に役立つ知識ですので、お皿の制作と共に覚えて
頂けるのも、このカリキュラムのよいところです。
ただ1年のカリキュラムには含んでおりませんので、1年を終えられてから
リクエスト頂きますと行っております。
ご希望がありましたら、お申し出下さい。
ある程度の人数をまとめてでのご説明とさせて頂いております。
注 ガラスに金箔を貼るには、下準備が必要です。当日に作業を終えるのは
難しい場合がありますので、あらかじめ講師にご相談下さい。
新うるし2本
カルチャーセンターでお教えしている新うるしは、講座の初日に
2本お渡ししています。
「本透明」と「赤系」の2本です。
画像の左に写っているのが、黄色のチューブの「本透明」
右の白地に赤字のチューブの「赤系」です。
この2本の違いがわからないというご質問が続きました。
これについては講座の初日にご説明しているのですが、初日の
説明が故なのか、ご記憶に残りにくいようです。
まず「本透明」ですが、植物性樹脂そのものなので、接着力が強く
割れた器の接着やヒビ•ニュウの直しに使います。
次に「赤系」ですが、本透明に弁柄という顔料が入っていることによって
堅牢度が高くなっています。
その分体積が出ても強くなっているので、欠損を埋めるのにはこちらを
使用します。
2本の違いは前記した通り、弁柄という顔料が入っているか、否かと
いうことです。
見た目に黄色いチューブと白地に赤字のチューブと区別して頂ければ
わかりやすいかと思います。
覚えにくいようであれば、チューブにテープを貼って用途を「接着•ヒビ用」
「欠け埋め用」などと記入されてはいかがでしょうか?
また作業中に違う新うるしを使い出してしまうという間違いも増えて
います。
今日のカリキュラムで使う方のチューブのみをテーブルの上に出し、
使わないチューブは道具箱に入れてしまうというのも予防措置として
いいかもしれません。
注 このブログで「赤系」とした新うるしですが、以前は「赤」という
色を使用していましたが、現在は一般に市販されていないものに変えて
います。そのため「赤系」と表現しました。
喫茶店エレーナ
商業施設が充実している神戸の異人館街と違い、横浜の西洋館は
住宅街の中にある洋館を、当時を想像して頂きながらご覧になれるのを
旨としています。
そのため見学の際には、ランチやお茶休憩する場所を考えておく必要が
あります。
私がオススメなのが、「喫茶店エレーナ」です。
西洋館が集中している港の見える丘公園から元町公園あたりまでと、
イタリア山庭園の間に位置しています。
JR石川町駅から山手に登り、ブラフ18番館と外交官の家を見学。
エレーナで昼食を摂って、午後元町公園方面へ行くパターンと、
みなとみらい線の元町中華街駅から山手に登り、山手111番館、
イギリス館を見て、元町公園付近で昼食、その他の館を見学して、
イタリア山庭園の途中でエレーナでお茶というのもいいと思います。
エレーナは、季節の紅茶とスィーツがメインですが、カレーやスパゲッティ
などの軽食も美味しいです。
私が特にオススメしたいのが、サンドイッチなどのパンを使ったランチです。
店主がパンにこだわって手に入れているので、パンが美味しいのです。
特にお気に入りが、ロールパンのサンドイッチです。
高台にあるエレーナの窓からは、港が一望できます。
この景色を見ながらの休憩は、他では得難いものです。
横浜山手においでの際に、お店を探してみて下さい。
ベーリック•ホール パームルームの謎
昨日に続き横浜山手西洋館について、お送り致します。
横浜•山手にある西洋館の中で、最大規模を誇るのが「ベーリック•ホール」
です。
ベーリック•ホールには居間の北側に、サンルームのように見える
「パームルーム」という部屋があります。
では何故サンルームではなくて、パームルームなのか?
インテリア様式に詳しい友人の助けを借りて、その謎を私なりに
考えてみました。
そもそもサンルームは、16世紀のドイツから始まる温室に起源があります。
「オランジェリー」と呼ばれたオレンジを冬越しさせる施設は、18世紀には
社交のための場〜ダンスパーティー会場と変化します。
オレンジや南方の植物は、社交の場を飾るエキゾチックな装飾の一部だった
のです。
19世紀になると熱帯地域の植民地から次々に有用植物や、鑑賞用植物が
持ち帰られます。
それらを育てる施設として温室は、巨大化していきます。
これは産業革命による技術革新で得られた鉄、ガラス、水蒸気による暖房
なくして成立しません。
(例 イギリスのキュー植物園 パーム•ハウス)
巨大化した温室はその後、健康志向の高まりからサンルームとなり、一般
家庭に取り込まれます。
それが20世紀に日本に伝搬し、和洋併立の住宅に併設されます。
(例 東京•岩崎邸)
ではパーム(ヤシ)とは、何なのか?
一つは、温室の代名詞ということが言えると思います。
パーム(ヤシ)は、温室を飾った熱帯植物の代表です。
そしてその温室は、所有者にとっては経済的な余裕を誇示するステータス
シンボルなのです。
そしてもう一つ、パーム(ヤシ)は、様々な宗教、人種の中で、特別な
植物だということです。
これは日本人にとっては少々縁遠いのですが、言い換えれば「生命の木」
という感じでしょうか。
立ち戻ってベーリックホールを考えてみます。
施主のB.R.ベリック氏は、フィンランド領事の顔を持つ公人でも
あったので、パーティースペースやディナー後のティースペースが
必要になったと思われます。
建築家のJ.H.モーガン氏は、流行の建築スタイルに精通しながらも
居住性を重視する建築家であったことから、ベリック氏の執務室を
兼ねた居間の通風、採光を重視したことが考えられます。
これを眺望の良い2階北側ベランダを支える場所としてサンルーム
様のスペースとしたのではないでしょうか?
場所としては北側なので、サンルームではなく「パームルーム」。
パーム(ヤシ)が特別な植物であることを踏まえれば、パームが
出てくるのは自然な発想ではないかと思います。
ベーリックホールのパームルームには、壁泉と呼ばれる噴水があります。
これは世界的にも珍しい例だと聞きます。
ベーリックホールにお立寄になられた際には、ぜひパームルームを
ご覧下さい。
そして私の推論を思い出して頂ければ、嬉しいです。
夏の横浜山手西洋館
ボランティアの関係で、横浜山手西洋館に出かけてきました。
普段の西洋館は華やかな飾り付けはありませんが、その分建物の
美しさが堪能出来ます。
◯山手234番館
○エリスマン邸
○ベーリック•ホール
○外交官の家
○ブラフ18番館
イベントとしては「サマーコンサート」と題して、8月末まで土日を
中心にボランティア演奏家によるコンサートが行われています。
生演奏は心地よいものですが、西洋館の中で聞く演奏は格別かと
思います。
どのコンサートも無料でお聞きになれますので、横浜散策と合わせて
お出かけ下さい。
※ブラフ18番館 100年前のピアノ
ピアノ演奏があるコンサートでは、実際に使われます。
大量入手
粉物をお譲りする時に活躍しているフィルムケースですが、以前ブログで
ご紹介したあと、とても入手しずらくなっていました。
それがとある所で大量入手出来ました。
きっとないだろうと思っていた所だったので、ラッキーな気分に
なりました。
なんでも溜まると業者に依頼して処分しているとか。
時々貰いに来ますとお願いしてしまいました。(笑)
希望の実る木の下で
友人のアーティスト大古瀬和美さんのグループ展が、日本橋の
ギャラリー砂翁&トモスで行われているのに、出かけてきました。
「祈り」をテーマにした、大古瀬さんの作品です。
金箔を貼った上に、じっくり制作した色の積み重ねがとても美しいです。
大古瀬さんの作品は、シンプルな構成がインパクトがありますが、この
積み重ねが見る者を引き寄せるように思います。
右側が、白から作り始めた最新作です。
白というと、私には原点というイメージがあります。
大古瀬さんの新しいスタイルの始まりとして、とても期待しています。
グループ展の他の方々の作品です。
6人それぞれの作風なのに、何か統一した空間に見えるのが、
グループ展の魅力です。
ギャラリー砂翁&トモスは、開店したばかりのコレド室町2•3からも
近いですし、小津和紙店や漆刷毛の江戸屋さんなど、金繕いをされて
いる方が興味を持たれるお店の近くでもあります。
会期が8日(金)までですので、お近くにおでかけの際にはお立ち寄り
頂ければ幸いです。
折り返しのない箱で
少し前のブログで、金箔のクズを入れる箱は紙製でとお願い
しました。
詳しくお話しますと、紙製でも底面に折り返しのある箱は
問題があります。
上の画像にあるような状態を折り返しがあると言っているのですが、
このように折り返しがあると、その下に金箔のクズが入り込んでしまう
のです。
せっかく回収した金箔が使い切れないので、紙製でもこのような箱は
おすすめ出来ません。
また紙と思ってもツヤのある紙はコート紙と言って、コーティングされて
いるためにタッパーウエアのように金箔が貼り付いてしまいます。
よって内側までツヤのある紙である場合には、避けた方がよいと思います。
(外側のみならば使用可能です。)
なかなかご自宅に丁度よい箱がないという方もおられるでしょう。
その場合にはラッピング用品をお探しになると便利です。
東急ハンズやLOFT、100円ショップでも品揃えがあります。
シモジマのような包装用品の専門店もあります。