月別アーカイブ: 2014年4月
ウッドパネル購入してみました
ベランダで鉢植え栽培しているトクサの暑さ対策に、ウッドパネルを
購入してみました。
本来はベランダに敷き詰めるパネルだと思うのですが、鉢の下に
置いてみました。
コンクリートから直接熱が伝わらなければ、昨夏のような事態は
回避出来るのではないかと期待しています。
夏まで間がありますのでまだ鉢は日向に置いていますが、暑くなって
きたらパネルごと直射日光が当たりにくい場所に移動する予定です。
今のところトクサは元気良く新芽を出しています。
頑張れ!
やさしく洗う
昨日に引き続き、よみうりカルチャー大宮教室のSさんの作品を
ご紹介致します。
今日のSさんは、以前にも仕上げた作品をご紹介させて頂いて
います。
割れていたものを接着し欠損を埋め、金泥で仕上げられました。
均等に鳥脚状に割れた様は、美しいくらいです。
また仕上げの金泥が釉薬に馴染んで、とても自然です。
Sさんは、割れにしろヒビにしろ線状の直しは難なくこなされており、
何も言うことはありません。
あえて問題と言えば、洗い方です。
荒めのスポンジで洗ってしまったそうで、縁の部分の金泥が薄くなって
しまいました。
新うるしの講座では蒔き放ちの技法で仕上げて頂いておりますので、
仕上げの表面は何もカバーされていない状態になっています。
ですので仕上げた部分は漆器と思って、やさしく扱うのが肝心です。
改めて仕上げをした器の扱い方を整理してみます。
1.電子レンジで使わないこと…金銀泥がスパークします
2.食器洗浄機で洗わないこと
3.目の洗いスポンジで洗わないこと
4.クレンザーを使用して洗わないこと
5.割れた物を修復している場合には片手で持たず、両手で持つこと
時間をかけて修復した器です。
大切に扱って美しい状態を長く保って下さい。
大物の修復
よみうりカルチャー大宮教室のSさんの作品を、ご紹介
致します。
高さ40cmほどの、大型の花瓶です。
口の部分が割れており、右側は破片が失われていました。
その部分を別素材で作り、銀で仕上げて下さいました。
このように大きく破片が欠損してしまっていても、新たに
作ることが出来ます。
この花瓶の場合、口縁の部分が立っているところが難しかった
のですが、見事に再現されています。
今後は銀が硫化することによって、花瓶本来の釉薬に馴染んで
きます。
Sさんは、それをとても楽しみにしておられます。
仕上げ 均一がよい?
仕上げについて多い質問がのひとつが、線は均一がよいのか
ということです。
割れたものの接着の場合、ぴったり接着されて細線になっている
部分と表面に欠損があって線が太くなる部分と同じ器の中でも
状態が違うことがあります。
これも前日のブログ記事のようにお好みで構わないのです。
欠損通りランダムな線になるのもよし、太い部分に合わせて均一に
描いてもよしです。
画像の器は、欠損なりに仕上げています。
部分的に線を整えているところはありますが、私は破損したままの
線が美しいと考えているからです。
破損も器の形態によって物理的に生じているのですが、これも
自然の摂理のように感じています。
しかしこれはあくまでも私の考え方です。
ご自身が均一な線が美しいと思えば、そうして頂いて構いません。
もし迷われるようでしたら、まず欠損なりに仕上げてみては
いかがでしょう?
修復した状態をそのままなぞればいいので、線を描きやすいと
思います。
その上で気になるところを修正していく、という方法もあります。
細線と太い部分が混在している線の描く手順に疑問がありましたら、
教室でご質問下さい。
ご説明致します。
仕上げの範囲
欠損を埋め終わってどうするかお考えになるのが、仕上げを行う
範囲だと思います。
講座ではお好みで構いませんとお話しているのですが、これは
欠損部が平滑に埋まっていれば、仕上げの範囲はいかようにも
出来るからなのです。
上の画像は欠損は埋め終わっており、あとは仕上げるだけに
なっている器です。
拡大してみると、左の端ににじんだように見える部分があるかと
思います。
これは釉薬が剥がれ落ちそうになっていたのを止めてある部分です。
このにじみがある以上これも含めて仕上げをするしかないのですが、
全体の形も角張っていて、若干不自然さがあります。
しっかり平滑に下地を作りましたので、自分好みの感じに変えて
仕上げをする予定です。
この変更は仕上がった状態では、まったくわからなくなります。
極論を言えば、この欠損部を梅や桜の花の形に蒔絵をしてしまっても
構わないのです。
しかしこれはあくまでも欠損が平滑になっているからこそ出来ること。
埋め方が今ひとつであれば、仕上げの下に欠損の形がはっきりわかって
しまいます。
意匠を加えた仕上げをしなくても、綺麗な仕上げをするのには
「下地が肝心」なのです。
目止め 他の手段?
下準備のひとつ、目止めについてお問い合わせがありました。
米の研ぎ汁を使う以外に方法はないか、というものです。
普段無洗米をお使いになっているとか、ご家族数が多くないのでお米を研ぐ
回数が少ない、研ぐ量が少ないなどなど、いろいろご事情があると思います。
しかし残念ながら米の研ぎ汁以外の方法は見つかっていません。
目止めを行わず作業を始めてしまうと、後で取り返しのつかないアクシデント
が発生する場合があります。
ですので何としても行って頂きたい作業なのです。
時間がかかっても構いませんので、必要な効果が出るまで作業を行って
下さい。
どうぞよろしくお願い致します。
花材 ホオノキ
先日のお稽古で初めて扱ったのが「ホオノキ」です。
モクレン科で同じような大きい白い花を咲かせます。
お稽古したのは新芽の状態の枝です。
葉は一枚一枚薄皮にくるまれており、内側の黄緑と裏側の銀色が
とても美しいのです。
朴葉味噌とはこのホオノキの葉が大きくなったところを使用したもので、
独特の芳香を生かした食材です。
花材としては葉の部分が簡単に落ちてしまうので一般に扱われることが
少ないそうで、貴重なお稽古が出来ました。
まだまだの腕前なのでアップできませんが、これに白菊とアリストロメリアを
合わせています。
ホオノキの葉が開いていくのに合わせて白菊の丈を低くし、留の花も変えて
いく予定です。
HOME 工事中
先般ブログでお知らせしたように「HOME」ページを工事して
います。
金繕いについて歴史、手順についての内容を加え、より理解を
深めて頂こうと考えてのことです。
現状から少々変更をお願いする予定ですので完成ではありませんが、
説明文は普段の講座ではなかなかお話出来ないところを載せていますので
ご一読頂けたら幸いです。
柏日曜クラス スタートしました
初めての週末クラスになるNHK文化センター柏教室の
日曜クラスが開講しました。
教室全員新入生というのは、とてもフレッシュな感じがします。
皆様直したい、習いたいというお気持ちが強く、それにお答えするべく
頑張らなければと私自身も気持ちが引き締まりました。
受講を始めた柏日曜クラスの皆様、どうぞよろしくお願い致します。
姿よし金繕いよし
昨日に引き続き、NHK文化センター柏教室の生徒さんの作品を
ご紹介致します。
骨董を多く修復中のKさんの作品です。
とても姿のいい徳利の修復です。
複雑な形で割れてしまっていましたが完成してみるといい雰囲気で、
徳利の魅力が増したようです。
破損したものが別の魅力をもって蘇るという金繕いの好例です。
画像上に欠けの修復があります。
他にもたくさん仕上げてきて下さったのですが、これがもっとも
美しい仕上げがされていたので、クローズアップで撮影させて
頂きました。
蒔下の新うるしの塗り方が薄く平滑に塗られていることによって、
金の発色がとても綺麗です。
実は少々下地の埋め方が足りないところがあるのですが、その問題
を補って余りある仕上げです。
綺麗な仕上げがしたい、という方は是非参考になさって下さい。