月別アーカイブ: 2014年3月
第25回草木会展
原一菜(いちな)先生が出品されている第25回草木会展を
見に行ってきました。
草木染というと一般的な言葉として浸透していますが、実は草木会代表
の山崎和樹先生の祖父山崎斌(あきら)先生が、合成染料による染と
区別するため、古式ゆかしい草根木皮による染めを「草木染」と命名した
ことに始まります。
草木染は民芸調のイメージが強いと思いますが、草木会の作品は草木染
のみに限定(合成染料は一切使用しない)し、染めの技術と意匠の
クオリティの高さで一線を画していると思います。
私自身昨年生藍染めを経験してみて、自然の色の美しさを実感しており
ますが、皆様にもそれをご覧頂ければと存じます。
特に原一菜先生の貴重な自生ムラサキを使った染色は必見です。
和栗のショートケーキ
甘い物には目がありません。
本日は菓子工房アントレの「和栗のショートケーキ」を購入。
期間限定という言葉に誘われました。
底の方に入っていた砕いた栗が特に美味でした。
おいしいケーキで元気回復!
明日はNHK文化センター青山教室に助手に参ります。
総体漆繕いについて
総体漆繕いとは、何らかの理由で器本体のほとんどを焼失した
場合に、特殊な技術で本来の器の姿に蘇らせることを言います。
これで著名なのが付藻茄子•松本茄子(静嘉堂文庫蔵)という
名物茶入れです。
狭義に繕った箇所を器色に馴染ませて修復することを言う場合も
あります。
あまり修復した箇所を目立たせたくないというご希望から、総体
漆繕いをお考えになる方がおられますが、いくつか注意点があります。
1点目は、器の釉薬に合わせた漆の調合が難しいところです。
色漆は色数に限界がありますので、絵の具のようには混色出来ません。
ですので器色に合わせるのが難しくなります。
そして難しい割に美しく見えにくい場合があります。
金繕いの工程のほとんどが欠損を埋めるという作業に費やされますが、
その最終工程としての仕上げが美しく見えにくいというのは残念です。
であるならば素材色としての金•銀泥で仕上げるのをお勧めしたいと
考えています。
2点目は、格の問題です。
総体漆繕いは「ごまかし」とみなされます。
これは格落ちとなりますので、お茶道具では避けたい問題です。
お茶道具を修復される方は、ご注意下さい。
以上の点を踏まえた上で、総体漆繕いにチャレンジしてみたい方は、
教室でご相談下さい。
ケースバイケースになりますので、修復されたい器に合わせて
お話したいと思います。
パステルカラー
先日買い物に出かけたところ、女性ファッションのコーナーで
華やかな春色に目を奪われてしまいました。
パステルカラーという色味ですが、明るい色彩が春の躍動感を感じさせます。
また同じトーンの中で複数色合わせても違和感がないのが使いやすいところ。
各店舗で違う色がディスプレイされていても調和し、まるで花畑のように
見えました。
例年にない寒い3月でしたが、予報ではその寒さも明日までとか。
暗めになりがちな冬の装いから、明るい春の色を身につけてみたく
なりました。
仕上げは少し大きめに
仕上げにチャレンジ始めた方が出てきました、よみうりカルチャー
川口教室の生徒さんの作品をご紹介致します。
縁が点々と欠けてしまっていたものを、銀泥で仕上げられました。
蒔下漆の塗り方、蒔くタイミングとも大成功しています。
今後器の釉薬が黒いところは硫化を進め、ベージュのところは硫化の
始まりのところで止める作業をすれば馴染んでしまい、点々と修復
しているのはわからなくなると思います。
こちらは外形のラインの取り方がとても美しく出来ています。
ご本人が残念に思っているのが、少し塗り残しが出てしまった
ところと、刷毛目が出てしまったところです。
塗り残しに関しては以前のブログで書いたように、少し大きめに
下地の新うるしを塗ることです。
刷毛目を出さないためには、新うるしを塗る手順、手際にコツが
ありますので、教室でご説明したいと思います。
金繕いは、その工程のほとんどが“埋める”という作業になります。
仕上げは最後の工程ですが、一朝一夕に上手に出来るようになるものでは
ありません。
初心者のうちは何度でもやり直しをして、上達して頂ければ嬉しいです。
仕上げ 銀+金
NHK文化センター千葉教室の生徒さんの作品をご紹介
致します。
Hさんの作品です。
Hさんは以前にも同じ柄の器を仕上げておられます。
その時の説明が金銀逆にしてしまっていたようなので、お詫びの
意味も含めてご紹介させて頂きます。
まずベースを銀で仕上げられて、網目文様を再現するように金で
線を入れられています。
銀が硫化して黒くなってくると網目の続きのように見え、柄が
再現されます。
以前仕上げられたのは既に硫化が進んで、器の柄にしっくり馴染んで
いるのを見せて頂きました。
以前からご紹介しているように、銀は硫化による変色を利用して
楽しむことが出来ます。
新しいアイディアをお待ちしております。
直筆と側筆
直筆とは、書いている線の中心を穂先が通っていること。
側筆とは、書いている線の中心から穂先がずれて通っていること。
いずれも書道用語ですが、線を描く時に心がけていると、きれいな
線を描くヒントになります。
側筆になっていると線の両サイドが乱れます。
線の中心を穂先が通るように真っ直ぐ筆を動かせれば、きれいな線が
描ける訳です。
筆の扱いに慣れていない現代人ですので、なかなか難しいことですが、
気にして頂くだけでも効果があるのではないかと思います。
金箔の束
金繕いの講座では、金箔のあしらいを学んで頂くために
貝合せの制作をカリキュラムに組み込んでいます。
その金箔ですが、100枚単位でまとめ買いしたものを小分けして
お譲りしているので、時々で小分け作業を行っています。
小分けする際には、金箔の束を上の画像のように開きます。
一番上の箔合紙の上に人差し指を立てて、時計回りになぞるように
動かすと扇のように開いていきます。
開く度に美しいなぁと思っていたので、ご紹介させて頂きました。
ちなみに閉じる場合は、先程の要領で反時計回りになぞればいいのです。
きれいに閉じていくのも感動です。
この作業も金箔に慣れる為の大切な練習になっています。
2014年4月期講座募集状況
気温はまだまだ真冬並みですが、日差しに春を感じるように
なりました。
新春に金繕いを始めてみませんか?
TOPページでもお知らせしている通り、4月期の募集が始まって
います。
NHK文化センター柏教室で新規開講する日曜クラスですが、
ご好評を頂き、昨日満席となりました。
お申し込みを頂いた方には厚く御礼申し上げます。
既存の教室で今期募集を行うのは、以下の3クラスのみです。
◯NHK文化センター ユーカリが丘教室
毎月第3月曜日 午前10時〜12時 4/21からスタート
◯よみうりカルチャー 大宮教室
毎月第4月曜日 午後13時〜15時 4/28からスタート
◯よみうりカルチャー 川口教室
毎月第2木曜日 午前10時半〜12時半 4/10からスタート
4月の講座日まで受付可能です。
ご検討よろしくお願い致します。