昨日ご紹介した貝合せの講座を受講中の方から、ハマグリ貝のキズに
ついて興味深いお話を聞きました。
この方は貝を入手するため、九十九里浜までお出かけになるそう
です。
こちらでの漁は、船で爪がついた金属枠の網を海底に下ろして、砂の
中の貝を掘り起こすという方法を取っているそうです。
『マンガ』と呼ばれる貝桁網は、爪が並んでいて熊手のようです。
大きい貝は、この網から逃れて成長することを繰り返していますので、
それだけキズがついている確率が高いということになります。
なぜこの漁法になるかというと、沿岸の砂浜にはハマグリがいなくなって
しまったため、船で沖に出て金属枠の網を使わざるを得ないそうです。
検索してみますと、この原因を潮が早くなったからとの見解を見つけました。
日本沿岸の護岸工事が進んでしまったのが理由です。
その他乱獲や密猟の影響もあるかもしれません。
ハマグリが絶滅危惧種になるのも仕方ない状況です。
それとともにハマグリ貝を美味しく食べて、貝殻を貝合せに仕立てて愛でる
という日本文化も受難の時代になっています。