先週、益子焼と一緒に行った笠間焼のレポートです。
益子と笠間は車で1時間程の近さなのですが、訪れるのは
初めてでした。
この2つの窯元の違いは、民芸調の益子に対して、装飾性がある
ということでしょうか?
草花の具象的な絵付けがしてある作品が多いようです。
そんな中で偶然出会ったのが、金高実音世さんの個展です。
釉薬は、粉引き鉄釉の2色。
フォルムが気に入って、珍しく爆買いしています。
李朝を思わせる形態の鉢です。
釉薬はオリジナル調合だそうで、マットの焦げ茶色の鉄釉です。
料理が映えそうな釉薬と、少々高さのある高台で食卓に変化が
出そうなところが気に入りました。
恐らくヘラで削って出している筋が特徴的なコップです。
蕎麦猪口サイズなので、コップに限らず色々に使えそうです。
菊花型の小皿です。
裏面に脚がついていて、浮遊感があるところがミソです。
釉薬は上のコップと同じ粉引きです。
実は一番気に入っている高さ8.5cmほどの小さな花器です。
やはり李朝を感じる形が、この大きさの花器では珍しいと思いました。
釉薬は粉引きをエアブラシで吹き付けているそうで、かかった量の
違いでテクスチャーに変化が出るそうです。
ろくろの段階でこの形を作り出す技術にも、驚きました。
在廊されていた金高実音世さんご本人からいろいろお話を聞けた
のも楽しい出来事でした。
また作品に接する機会を楽しみにしています。
もうお一人、不思議な釉薬に魅せられて購入したのが、二階堂明弘さんの
飯碗です。
焼き締めの器ですが、錆のような表情から「錆器」と称されている
そうです。
輪島塗りの地の粉と漆をブレンドして作られる「錆下地」に
似ています。
器ではありませんが、大崎透さんの作品も入手しました。
「ちいさな動物園」というシリーズは、メディアにも取り上げられて
いるので、ご存知の方も多いと思います。
やまねです。
丸まって冬眠している姿を、焼き締めでざっくり作られています。
猫やりすなどから、ゴリラや象といった大型の動物まで、愛嬌のある
表情で並んだ様はなごみます。
ネットでもたくさん取り上げられていますので、ご興味のある方は
検索してみて下さい。
今回久しぶりに窯元に出かけて、作家さん達が新しい釉薬、表現方法に
チャレンジしているのを見られたのは大きな収穫でした。
教室に作家物の器を直したいと参加される方が増えているのですが、
近年素地、釉薬共、従来の知識では判断出来ない物が増えていると
感じていたからです。
常に勉強、勉強ですね。
◯笠間焼 情報
「ギャラリーロード」沿いにあるのが、新しいギャラリーやshop
「やきもの通り」や「陶の小径」にあるのが、古くからある窯元
と、分かれているそうです。