奉書紙で、祝儀袋の折方を行いました。
奉書紙は、一度できれいに折らないと美しく出来上がりません。
折り直ししてしまったものは「あだ折り」と言って、使用できなくなります。
このようなところに、それぞれの事柄に物を誂えるという日本の
精神が伺えます。
ところで奉書紙とは、公文書に使われた厚い楮紙のことです。
天皇•将軍などの意向や決定を奉じて、下された文書を奉書と言いました。
年号が「平成」と報道された時、故 小渕恵三官房長官(当時)が掲げた
文字を覚えておられるかと思いますが、あれも奉書紙に書かれたものでした。
専属の書家が、年号決定から報道までの短い時間に限られた枚数で練習をし、
清書を書かれたそうです。
この話を聞いてから、あの場面を目にするたびに、「平成」の2文字に
緊張感を感じています。