月別アーカイブ: 2013年6月
画題 ギボウシ
初めて行った花屋さんで、購入してみました。
ギボウシ(ユリ科)です。
実はこれは蕾で、開花すると分解していきます。
名前の由来は、柱頭についている宝珠に似ているから“擬宝珠”なのだ
そうです。
ではどの部分が似ているのか、葉の本来の姿は、格は…などなど
奥が深い植物だと分かりまして、入手できた偶然に感謝です。
ルーサイトギャラリー
偶然、おしゃれなギャラリーを見つけました。
JR浅草橋駅近くの『ルーサイトギャラリー』です。
戦後建てられたという外観に惹かれて入ってみました。
玄関までの路地も風情があります。
ギャラリーでは陶芸家大江憲一さんの展覧会が行われていました。
(6月28日まで)
こちらの和室は、ギャラリー展示が行われていない時は茶道教室と
なるそうです。
2階ギャラリーは、雰囲気ばかりでなく隅田川を臨んだローケーションも
素敵です。
タイル貼りの洗面所です。
昭和な感じが、イイですね。
このようなギャラリーがあるとは、まったく知らなかったのですが、
思い切って入ってみて良かったです。
建物好きとしては、とても楽しい冒険になりました。
藍の出荷
先日プランターに定植した藍ですが、大量に残っていた苗がありました。
そのうち半数を、原一菜(いちな)先生に引き取って頂くことに
なり、出荷しました。
なかなか育ちが良かったようで、生藍染めに使って頂けそうです。
先生の作品も楽しみになりました。
※工芸家である原一菜先生は、草木染の作家でもあります。
公開講座 準備中
6月27日(木)に、よみうりカルチャー川口で開催されます
公開講座の準備を進めております。
画像は蒔絵体験して頂くお皿です。
教室に到着された順に選んで頂きます。
公開講座は、お席にまだ余裕があります。
教材の準備の都合がありますので、ご検討中の方はお早めに
お申し込み頂ければ幸いです。
本漆用ユニフォーム
じめじめと蒸し暑い季節ですが、本漆にとっては最適期です。
本漆というとカブレが心配ですが、これを避けるにはひたすら
皮膚に着けないことです。
そこで私は下の画像のようなユニフォームを用意しています。
エプロン、アームカバー、ゴム手袋です。
髪はしっかり束ね、化粧も必須です。
漆かぶれのメカニズムはかなり解明されており、正確には
アレルギー性接触性皮膚炎に分類されるものです。
漆の主成分であるウルシオールが、皮膚のタンパク質と結びついて
発症します。
ですので、皮膚につけないことが重要になる訳です。
作業中は頻繁にゴム手袋を交換しますし、作業後は肘から指先までに
サラダ油 を塗って洗浄します。
もし皮膚につけてしまった場合は、サラダ油で拭います。
漆は油分で溶けてしまうからです。
そうまでしても本漆を扱う理由は、優れた物性と何よりも仕上がりの
美しさに他なりません。
注 漆かぶれ対策は、色々な方法があります。私の方法として参考までに。
なお教室で使用している新うるしは、このような対策は必要ありません。
仕上げいろいろ
NHK文化センターユーカリが丘教室で、たくさん仕上げをして
きて下さった中、お二人の作品をご紹介したいと思います。
まずはOさんの作品です。
ヒビの直しで、実際の疵は2本だけなのですが、枝と葉を足すことに
よって元からある柄のように仕上げられました。
サラダボールとして使われるそうで、食べ終わると柄が見えるという
趣向もオシャレではないでしょうか?
もうお一人、Mさんの作品です。
お皿の元々の柄に、絶妙なバランスで仕上げの線が入っています。
一幅の絵画のように美しく、偶然の妙に見とれてしまいます。
若干金泥を蒔くタイミングが早かったようで、赤みの金に仕上がっている
のをご本人は気にされていますが、大きな問題ではない範囲です。
仕上げ上達の最大のコツは、数をこなすことです。
地描きも、蒔くタイミングも、全ての要領が熟れてくるはずです。
ぜひどんどんチャレンジしてみて下さい。
ご連絡
7月のユーカリが丘教室は祝日の振替で、第5週の29日が講座日
です。
お間違えのないよう、ご出席下さいませ。
トクサの苗
トクサの地植えを考えまして、新しく苗を購入しました。
近隣の園芸店で入手が出来なかったので、思い切ってネットで注文して
みました。
購入したのは「日本花卉ガーデンセンター」 です。
実物を見ないで購入するのは心配があったのですが、苗の大きさと値頃感、
HPの印象から決めました。
結果的に大変育ちのよい立派な苗が送られてきて、大満足です。
トクサを育ててみたいが入手が出来ない、というご相談もよく受けます。
抵抗感がなければ、ネット購入もオススメできそうです。
完璧な下地とは
昨日のブログで、美しい仕上げのために必要な条件を上げてみました。
今日のブログでは、その前の完璧な下地についてお伝えしたいと
思います。
完璧な下地とは、欠損部から180度離れたところから目を
つぶって触ってきても、気づかずに通り過ぎてしまう状態を
言います。
それを作るのは「塗る→磨く」を根気よく繰り返すことに尽きます。
欠損がほとんど埋まって、さらに根気よく作業をするのは大変
なのですが、途中で諦めてしまうと、そこまでの完成度にしか
なりません。
ひたすら忍耐なのですが、一度完成度の高さを体験頂ければ、
ご納得頂けると思います。
美しい仕上げのために
このところ「完璧な下地を作ったのに、仕上げがざらざらになって
しまった。」というご相談が続きました。
美しい仕上げのために、必要な条件をピックアップしてみたい
と思います。
•室内に塵埃は舞っていないか
•作業テーブルに塵埃はないか
•自分自身が埃の出やすい服装をしていないか
•仕上げをする器を洗浄したか
•その器に埃をつけなかったか
•蒔下を描く筆は清潔か
•状態が悪い新うるしを使用していないか
•新うるしの塗りの厚みは適切か
•新うるし塗りの筆の運びは問題ないか
•蒔筆は清潔か
•蒔筆は適切な穂先か
•金銀泥に塵埃は混入していないか
•金銀泥を蒔くタイミングは適切か
ご相談のあった方の状態をお聞きしますと、最近の傾向としては、
蒔筆に問題があるケースが多いように感じています。
しかしこれを機会に、上記の項目をご自身でチェックしてみて下さい。
何か気になる項目がありましたら、教室でご質問下さい。
詳しく対策について、ご説明したいと思います。
接着したら
4月から受講して下さっている方々の、今月のカリキュラムは
「接着」です。
割れた器を接着するものですが、講座で接着の作業を行って頂き、
来月まではズレが生じないように養生をして頂くようにお願い
しています。
下の画像は、以前ブログでご紹介しました接着直後の器です。
これにぴったり接着する秘訣が写っています。
(詳しくは教室でご説明致します。)
7月には接着後の作業についてご説明致しますが、最終的には
表面に生じた欠損を「ほつれ」「欠け」と同様に埋めていきます。
現在この器は、この欠損を埋める作業が終了しています。
目をつぶって器を触ってみて、欠損がどこにあるのかわからない
状態になっています。
ここまできたら、あとは仕上げをするだけです。
ところで、どんなに接着が上手くいっていても、器は破損する前の
状態に戻った訳ではありません。
小片に割れてしまった部分のみを持ち、器の自重と、盛られた料理
まで支えさせるのは無理があります。
修復中はもとより、修復後の器は両手で丁寧に扱うのが基本です。
金や銀で仕上げるのは、「大切に扱って下さい」という器からのサイン
だとお考え頂ければよろしいかと思います。