月別アーカイブ: 2013年5月
梅雨入りしたら
例年より早く、梅雨入りが発表されました。
「目止め」という米の研ぎ汁を使った下準備をして下さっている方が
おられると思いますが、梅雨入りしたら要注意です。
なぜなら高温多湿の天候で、器にカビが生えやすくなってしまうから
です。
私自身は完全に梅雨時は回避しますが、どうしてもなさる場合は数日
晴天が続く時を選ぶなど、慎重にお願い致します。
もしカビが生えてしまった時の対応は、器によって変わりますので、
教室でご質問下さい。
仕上げして使ってみる
よみうりカルチャー大宮の15:30〜のクラスのAさんの作品を
ご紹介致します。
ヒビと欠けの直しをなさっています。
ヒビはもう少し衝撃が強かったら鳥脚に割れていたもので、内側と外側の
状態が違っています。
手仕事がお好きというAさんの線は、程よい太さと均質さでとても美しい
のです。
これはブログに載せさせて頂きたいと、固辞されるのをお願いして
アップさせて頂きました。
欠けは仕上げてみて埋め方が足りなかったのがわかったのですが、
使用上は問題ないので、お使いになってみることになりました。
金で仕上げると反射で埋め方が足りないのが強調されます。
気になる場合はもう一度埋める作業をお勧め致しますが、まずは
使ってみるのもよろしいかと思います。
ハンドメイド マルシェに行く
先日ご紹介した『ハンドメイド マルシェ 2013』に昨日
行ってきました。
会場になったパシフィコ横浜です。
みなとみらい地区の最先端にあります。
空と建物の屋根の対比がおもしろいと思い、撮影してみました。
Auntyさんのブースです。
作品は1点ものばかりで、バラエティーに富んでいます。
ディスプレイにもセンスの良さを感じます。
会場内はアクセサリーだけでなく、革製品、布小物、けしごむはんこ
といった作品から、イラストなどのアートもあります。
またジャムなどの食品もあり、1000を越えるという出展数は、さすがに
見応えがありました。
日曜日の今日は、さらにたくさんの来場者で賑わっていることと思います。
楽しい仕上げ
昨年開講したNHK学園市川オープンスクールの15:30〜クラスの方が、
続々と仕上げをしてきて下さいました。
その中から楽しい仕上げをして下さった方の作品をご紹介致します。
仕上げの線を枝に見立てて葉を加飾されています。
大胆に筆を運ばれた線が、ぽってりしたお抹茶茶碗の感じに
合っています。
先日のブログでも仕上げは楽しんで下さいと書きましたが、 この
作品からは楽しんで作業されているお姿が伺われて、拝見する方も
なごみます。
仕上げの線を枝に見立てる方法は、もっとも馴染みやすい手段です。
線の角度、長さなどで何に見立てるか考えますと、アイディアが
浮かびやすいと思います。
ぜひ参考になさって下さい。
ヨコハマ ハンドメイド マルシェ 2013
金繕いの教室で私がよく身につけているのが、Auntyさんの
チョーカーです。
シンプルですが、パーツの組み合わせのセンスが絶妙なのが
魅力です。
また慌ただしい朝に、つけるのが簡単なのもgoodです。
そのAuntyさんが、今週末5/25〜26パシフィコヨコハマDホールで
行われる『YOKOHAMA HANDMADE Marche 2013』に出展します。
このイベントは雑貨•インテリア•ファッションなど様々なジャンルの
オリジナル作品が販売されるものです。
Auntyさんは『C-15』に出展されます。
気持ちのいい季節、横浜にお出かけ下さったら嬉しいです。
よく見ると…2
この4月から新規受講して下さった方が持参された器の数点に、
先般ブログでアップしたような『パテ』直しのものがありました。
下の画像はNHK文化センターユーカリが丘教室で受講されている方の
物です。
画像の下部に外して頂いたパテ部分が写っています。
このケースでは表面を白く塗装して、本体に馴染ませるような
細工がされていました。
またNHK文化センター柏教室では、磁器の皿に陶器を呼び継ぎした
ように見える加飾されたパテが入れられている物がありました。
お持ち下さった方が驚かれている様子を拝見しますと、納得いく
修復をして頂けるようご説明しなければと思っています。
繊細
NHK文化センターユーカリが丘教室のTさんの作品を
ご紹介致します。
ヒビの仕上げをして下さいました。
複雑に入ったヒビを繊細な線で仕上げられています。
実はこれを講座受講初日に教材としてお出ししている下地用の筆
で描かれたところが素晴らしいのです。
ここまでの線が描ければ、どんな感じにでも描けると思います。
Tさんは欠けのある器もきれいに埋められています。
今後の仕上げも楽しみにしています。
お盆の修復 汚れ落とし
以前ブログでご紹介しました、京都の骨董市で購入して
きたお盆の修復を始めました。
修復の第1歩として、メラミンスポンジで汚れ落としを行いました。
表面は元々しっかり漆が塗り込まれていたので、それほど変化が
ありません。
しかし裏面は漆も剥げていますし、木目の暴れがあって不陸があります。
一部欠けている部分もあります。
そしてヒビもあります。
次のステップは、このヒビを止めます。
そして不陸の調整と、欠け部をならす予定です。
仕上げはじっくり
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
ヒビの直しを仕上げられています。
金の仕上げが器の柄•雰囲気にとても合っています。
画像上部に金の直しがありますが、器の柄に馴染んで、違和感がありません。
Hさんは初めて仕上げをされるにあたって『エア仕上げ』(ご本人談)で練習
を繰り返されたそうです。
これは筆に新うるしをつけずに、器の持ち方や筆の運びをシュミレーション
したことをいうのですが、とてもよい工夫だと思います。
実際新うるしを筆につけますと、シュミレーション通りにはいかないことも
ありますが、イメージができていると随分違うはずです。
なかなか思う太さに線が引けなかったとHさんはおっしゃいますが、現代の
日本人は筆の感覚に慣れがありません。
線の太さは、穂先がどのくらい着地しているかコントロールすることが
必要です。
だんだんとその感覚を身につけて頂ければよろしいかと思います。