日別アーカイブ: 2013年3月23日
チューリップ•バブル
最近チューリップの花活け、スケッチをしたので、チューリップに
関する話をアップします。
タイトルにある『チューリップ•バブル』ですが、チューリップの
花とバブル景気というイメージが違う言葉が合わさっていると思われ
ませんか?
実はこれが1637年にオランダで起こった世界最初の経済事件なのです。
オスマン•トルコからオランダに伝わったチューリップは、最初
植物愛好家の間で高値で取引されますが、これが元手を持たない
庶民も巻き込んで行きます。
そして球根1個で馬車24台分の小麦、豚8頭、牛4頭、ビール大樽
4樽、数トンのチーズ、バター2トンが買えたという、途方もない価格
までつり上がった揚句、突然急落します。
私が興味を持ったのが、取引の為のパンフレットに掲載された絵です。
(球根で取引されたので、どんな花が咲くかは絵で確認したのです。)
この絵は最も高値で取引された『センベル•アウグストゥス』と
名付けられた花です。
赤(実際は紫)と白の縞模様が印象的です。
これら斑入りの花は当時はブレーキングという突然変異によるものと
されていましたが、20世紀になって球根がウイルスに感染してモザイク病
という病気に罹患していたものと解明されています。
リアルなボタニカル•アートが“妖しい”魅力を放っていますが、品種改良
で安定した状態にあるものではなく、病気によって作られたものなので、
まさにバブルのように消えてしまった花なのです。
カテゴリー: 植物•スケッチ