日別アーカイブ: 2013年3月12日

よく見ると…

NHK文化センター千葉教室のHさんのお求めになった
蕎麦猪口です。
縁に2片の割れがありましたので、これを接着したところ
です。

向かって右側の釉薬がざらついています。
染付の色も、明るく鮮やかな部分があります。

内側です。
やはり明るい鮮やかな染付が入っています。

結論から言うと、ざらついている部分は『パテ』で、
明るい鮮やかな染付は、七宝釉のような融点の低いもので
描き加えられている可能性が高いのです。

骨董市で欠損部を『パテ』で補っている物はめずらしくない
のですが、染付の柄を描き加えているのは珍しいと思います。

このあとどう修復していくか、Hさんとお話致しましたが、
『パテ』が、隣にある器本来の破片に喰い込んでしまって
いるので、このまま足りない部分を補って直していくことに
なりました。

本来ならばいずれ剥落する『パテ』はカッターで削り
取ってしまって、最初から直して行くのをお勧めしたいの
ですが、今回ご紹介した器のように状態をみて、方針を
考える場合もあります。


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