月別アーカイブ: 2013年1月
ただいま工事中
ブログの過去の投稿をカテゴリー分けしています。
金繕いをなさっている方は、「生徒さんの作品」で
他の教室の方の作品が見られますし、「基本のき」で
金繕いの技術を紹介したブログが見られます。
今までの投稿が99もあったので少しづつ作業しています。
完了するまで少々お待ち下さい。
静嘉堂文庫美術館 茶道具の美
静嘉堂文庫美術館で行われている『茶道具の美』という
展覧会に行って来ました。
この展覧会では完形品の現存は日本にある3碗のみの曜変
天目茶碗と油滴天目茶碗がメインになっています。
現在日本人研究者の方々が成果を上げておられますが、かつて
曜変天目は釉薬の再現に挑むと身代を潰すと言われていたくらい
謎が多い碗なのです。
それ故ではありませんが“宇宙”と評される光彩輝く器は一見の
価値があります。
さて金繕いをなさっている方にご覧頂きたいのは、もうひとつの
油滴天目です。
この器は実は総体繕いという修復箇所が馴染むような技法が施されて
います。
斑文まで再現された直しは、一瞥した程度ではわかりません。
ご覧になられた方は説明文がある方を正面として、左右•後ろの4面
いずれにその修復箇所があったのか、ご報告頂けると嬉しいです。
はまぐり貝の穴
はまぐりにはその貝の歴史が刻まれていると、以前のブログに
書きました。
その歴史のひとつに丸い穴があります。
大宮教室のAさんのお求めになった貝にありましたので、撮影
させて頂きました。
改めて調べたところ、これは「ツメタガイ」のしわざと
わかりました。
この「ツメタガイ」は貝殻の主成分である炭酸カルシュウムを
溶かす酸を出し、ヤスリ状の歯舌で穴を開けるそうです。
画像の貝は完全に穴を開けられる前に逃げられた訳ですね。
このように貝には色々な疵があるので、金繕いの方法で
繕う場合もあります。
いずれにしてもせっかく入手された貝ですから、疵も愛でて
頂ければと思います。
ガラスも修復できます
金繕いの教室で驚かれるのが、ガラスの修復もできる
ことです。
画像は現在私が修復中の薩摩切子です。
画像では見えない反対側から破片を接着しています。
陶磁器とガラスの修復が違う点はいくつかありますが、
見た目でお分かり頂けるのが「透ける」というところです。
その為独特の処理をすることがありますが、破損の状態
で対応を変えております。
受講を初めてから半年くらいで、ガラスの修復も始め
られますので、修復希望の品がありましたら、一度
教室にお持ち下さい。
水仙
春の訪れを表す花活けと言えば、水仙も当てはまると思います。
太田流では水仙は高さを20cm以下、場合によっては10cm以下と
実際より遥かに低く抑えます。
これは冬の寒さに耐えて芽吹いた感じを出す為ですが、この状態を
作るのには一度束を解体します。
花活けでは目的の姿にするために様々なテクニックがありますが、
中でも水仙の解体には驚きました。
その後葉の形を整えていくのですが、太田流ではこれを指先の感覚
のみで行います。
これが本当に難しいのです。
しかし先生がなさると、魔法のように葉の形が変わって行きます。
葉に針金を入れる流儀もあると聞いておりますが、これも難しさ
ゆえの工夫なのでしょう。
いつかブログにアップできるように精進します。
梅
先日花活けした梅がほころび始めました。
梅というと「松竹梅」の末位というイメージが強いと
思いますが、1年の内3日だけ最上位になる日があります。
そしてその時に合わせる植物も決まりがあります。
日本人にとって梅は春の訪れを待ち遠しく思う象徴なので、
梅1輪というように、咲き始めを愛でるのです。
ところで梅には必ず合わせる鳥が決まっています。
これは故事に基づいた決まり事なのですが、きっと
皆様ご存知だと思います。
第4週
昨日は原一菜(いちな)先生の金繕い横浜教室の助手の日
でした。
教室のあるランドマークタワーです。
仰ぎ見て撮影してみました。
ところで第4週の講座だと、今月のように第5週がある場合、
日程を間違われる方が多いのです。
どうも毎月最終週と覚えておられるようなのですが、あくまでも
上から数えて4週目なのです。
月1回の講座なので間違われると、とてももったいないと思います。
どのカルチャーセンターでも必ず日程を具体的に記載した書類を
お渡ししていますので、それを確認して頂くのがよろしいかと
思います。
私の方でも間違いやすい日程の時には前月にお知らせするように
致します。
洗浄用薄め液の扱い
薄め液の扱いについても、金繕いの教室でよく質問を
受けます。
薄め液は、元々のボトルに入っているものとは別に筆や道具を
洗浄する用のものを別にして頂いています。
この洗浄用ですが、使っていくと赤漆の色で染まっていき、
いずれ底に固まりとなって沈みます。
そうなったら薄め液の上澄みを、一旦別の入れ物に移します。
そして底に沈んだものを掃除して、上澄みを戻します。
底に沈むまでの赤漆による染まりですが、常に洗浄して減った
分を補充していけば、あまり気にならないかと思います。
これを注ぎ足し注ぎ足しして伝えられる『老舗の秘伝のタレ 』
方式と言っています。
ところで薄め液のボトルを 洗浄用として流用している場合、
中蓋が開けにくい上、ちぎれてしまう方が多いようです。
自宅に置いたままにしているのなら中蓋は必要ありませんが、
持ち歩く場合、中蓋があった方が漏れの心配がなく安全です。
中蓋の開け方のコツは、同じ所を引っ張り続けないこと。
少しづつ場所を変えながら、上へ持ち上げるのが肝心です。
ユーカリが丘教室 1日講座
昨年9月にNHK学園市川オープンスクールで行いました
『金繕いの世界〜愛着のある器を蘇らせる〜』が大変好評
だったのでユーカリが丘教室でも同様の1日講座を催す
ことになりました。
金繕いの歴史や実際の作業工程のご紹介の後、小皿に金蒔絵の
制作を致します。
またお手持ちの破損した器が、金繕いで修復可能かどうかの
鑑定も致します。
最近金繕い、金継ぎという言葉をよく聞くようになったが、どんな
ものか?とか、修復に使う漆とはどんなものか?という方々に
ご満足頂ける充実した内容の講座となっております。
現在決定しているのは、
講座日:3月18日(月)午後1時から3時まで
受付開始:2月25日(月)から
です。
正式講座名、受講料、材料費など詳細が決定致しましたら、
ホームページでご案内致します。
ご検討よろしくお願い致します。
貝合わせ 金箔貼り後
金繕いのカリキュラムの中にあります『貝合わせ』は、
金箔のあしらいを勉強して頂く為に行っております。
金箔を貼ったあとの貝は、絵を描いて頂いても構いません。
金繕いにおいては、金箔が使えるようになると仕上げの
バリエーションが広がります。
ぜひ身につけて頂きたい技術です。
3月3日の雛祭りまで、大きめのはまぐり貝が出回りますので、
お買い求め頂き、このカリキュラムの準備をお願い致します。